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いつもと違う場所 地下室編 (a guardian angel・みーさん)

「俺が抱きたいのはナツじゃない…」


本当の自分をさらけ出して、ブルーの瞳に彼女を映した。
コンタクトをはずした俺の姿を見て、驚いた彼女は泣き出してしまった。

「ずっと言えなくて…ごめん」

そういって躊躇いがちに抱き寄せた時、彼女は小さな声で言った。

「敦賀さんが…コーンでよかった…生きててくれて…
会えて、本当によかった…」

優しい涙…その温かな雫に触れた時、受け入れてもらえたんだって…思った。
だけど、止まらなくなってしまった涙を舌で拭ってキスをしようとした時、彼女は俺を拒んだ。

「…なん…で?」

ツキンと痛む胸を押さえて訊くと、彼女は頭を振って呟いた。

「ダメ…なんです」

そういって目を伏せた彼女に…思い当たる理由なんて、一つしかなかった。

「…不破との約束のせい?」

俺の言葉に静かに頷き、彼女が話してくれた。

一流の女優になること…
その為のスキルを俺から盗む為には恋なんてしてる暇はないんだと…
もし、それができなかったら、京都に帰って、不破の実家で一生仲居勤めをするって約束をしたんだと…彼女は教えてくれた。
だから俺は、逆に彼女に訊いたんだ。

「…本当の恋を知らないで一流になれるとでも?」

君はわかってるはずだ…嘉月の演技で苦しんだ俺の姿を一番近くで見ていたんだから…。

「…でも…」

「本当は…アイツとの約束なんか関係ないんじゃないのか?」

君が…俺とだけはありえないって言った本当の理由。

「そ、そんなことっ…」

「それとも、君は…今でも…俺のことが嫌いか?」

俺のことが好きで堪らないって顔をしてるくせに拒む理由がわからなかった。

「ちがっ…でもっ…ダメなんです…私は…」

首を振りながら距離をとろうとする彼女を追い詰めて…壁際まで追い込んだ。

「なんで…ダメ?」

腕を縫いとめて、彼女のあごを捉えて訊いた。
もう逃げられないと…目を瞑った彼女が…次の瞬間、涙をいっぱいためて怒り出した。

「…ダメだって言ってるのに…これじゃ、愚者(バカ)になっちゃうじゃないですかっっ…」

「バカ…って、え?」

「ショータローの時よりも愚者になってしまうってわかってたから…
だから、好きだなんて認めたくなかったのに…」

そういって俺の胸をポカスカと力なく叩く彼女が可愛くて堪らなかった。

「…ごめん」

そういって唇をふさいだ。嬉しくて、アイツよりも深く愛されていると…愛しそうに俺を見つめる彼女の笑顔が可愛くて…湧き上がる感情を抑えることなんてできなかった。

もっともっと…俺だけに愚者(バカ)になってしまえばいい。

はにかむ様に頬を染める君に何度もキスを重ねて…その身体を抱えてベッドに優しく降ろした。

恥ずかしくなるほど、余裕なんてまるでなくて…
二人を隔てる布を剥ぎ取って、彼女の素肌に口づけを落とした。

揺れる瞳も、羞恥に染まる肌も、抵抗する腕さえもが愛しくて俺を掻き立てた。

「やぁっ///…待って…そんなっ、やぁんっ…敦賀さっ・・・」

「ごめん、待てない…もう限界なんだ。君が可愛すぎて」

そういって…照れてる彼女の胸に顔をうずめて、俺のシルシを刻んだ。
白い肌に赤い…俺だけのものだとって言うシルシを、何度も何度も…

初めての君を奪いつくすようにキスをして…君のすべてを身体で感じたいと思った。
手のひらに収まる胸を優しく愛撫して、その頂を舌で転がし…
蜜でしとどに濡れた割れ目を舐めあげて、誘う先は      

君の甘い声、艶めいた息遣いが、これ以上ないくらいの嗜虐心をあおって…俺を夢中にさせた。
追い詰めて、啼かせて…溶かしていったソコにあてがって、君の中心に愛を注いだ。

「…愛してる、…愛してるっ…ずっと俺のそばにいて…」

加速する腰の動きとともに、果てた瞬間…君は俺にぎゅっとしがみついたまま意識を手放してしまった。

汗を拭って…おでこにキスを落とすと抱き締めるようにして俺も眠りに落ちた。

目を覚ました君に怒られるかもしれないほど…シルシを刻んでしまったけど、それでもまだ足りないんだ。

ホワイトデーのお返しに
君の薬指に似合う鎖を贈ったら…ずっと俺に囚われていてくれるかな。

君のためなら、俺はどんな愚者(バカ)にでもなってみせるよ   

いつもと違う…ここが俺たちの始まりの場所。 

~FIN~

コメント

さらさん 感想ありがとうございました。
蓮さんの心の葛藤…楽しんでいただけたようで嬉しいです。
実際のキョコちゃんはもっと手強いですからね~~…
本誌展開がどうなっていくのか非常に楽しみですね。