My sleeping beauty From REN (こぶたのヒトリゴト。・マックちゃん)
身に纏うものが何もなくても、暑すぎず寒すぎない、空調のよく効いた室内。
素肌に触れるシーツはパリッと糊が効いていて、だけど柔らかさを失ったわけではない。
時々ギシリとなるスプリング音も決して不快にならないキングサイズのベッドは、自宅の物より少し小さいなぁ…などと言う感想を蓮に持たせるが。
愛する人が準備してくれた部屋と言うだけで、全てが特別に感じる。
オレンジ色のフットランプがぼんやりと室内を照らす中、蓮は自身の脚の間に収まる愛しい彼女の頭を撫でた。
「んふ・・・?」
「・・ううん、気持ちいいよ・・・」
蓮をくわえたまま目線だけで『どうしたの?』と問いかけたキョーコに、素直な感想を告げる。
すると、瞳に少し不安の色を映していたキョーコは、安心したかのようにふっと目を細め、再び銜え直してじゅうっと吸い上げた。
「っ、・・・ぁ」
キョーコの咥内の熱さに、巧みな舌に。自分の全てがさらわれそうになり思わず口から音が漏れる。
するとキョーコは、さらに吸いを強くした。
既に何度も愛撫を受けていた蓮の楔は爆ぜる為にさらに膨らみ、腰と内腿が勝手に震え出す。
このまま本日の一度目を迎えてしまうのは残念だったが、普段は強請ったところで滅多に見れないキョーコの姿があまりにも魅力的で。
蓮はその押し寄せる快楽を受け入れ、素直に身を任せた。
*
「二人だけのお誕生日会を準備しました!」
キョーコが蓮にそう告げたのは昨日。
もともと、誕生日の午前中はゆっくり過ごせるようにと、社がスケジュール調整を行っていたのだが・・・
(そうか、社さんが裏でこそこそしていたのはこれか)
最近、彼の態度に違和感を感じていた蓮は、即座に二人が結託していた事に気付く。
愛するキョーコが自分の為に何かしてくれる事は嬉しい。
自分のプライベートな部分にまで色々気にかけてくれる、優しい兄のような存在である社の気遣いが嬉しい。
だけど、いくらサプライズとは言え、自分を置いて二人で連絡を取り合っていたのは気に入らない。
例えばそれが、自分達の恋愛を応援してくれている社であっても―――
長年の片想いを『執着』と言う形で実らせた独占欲の塊のような男は、その嫉妬心から出る胡散臭い笑みで、彼女のサプライズ成功を手伝った相棒の胃を痛めさせた。
その笑みは、当然キョーコにも向くわけで・・・
「だっ、だって!私いつもしてもらう側なんですもん!今日は私が何でもします!」
そう言った彼女の言質を取り、こうしてまだあまり実践できた事のない行為に持ち込む事に成功したのだ。
*
「・・・見ないでくださいったら・・」
まだ質量を保ち、天を向く自身の上に跨がるキョーコをじっと見つめる。
控え目だが繊細なフリルとレースがあしらわれた白いベビードールは、以前蓮がプレゼントした物。
ランプのオレンジ色も手伝って、今は肌色に染まり、まるでシースルーの生地のようだ。
「どうして?だってこんなに綺麗なのに」
「やっ、やぁ・・・」
羞恥心から止まってしまったキョーコの腰を掴み秘唇に自身を擦り付けると、ぬるりとした感触で簡単に滑る。
にちにちと音を立てながら数回往復させてやると、そこは必死になって蓮を飲み込もうと捕まえにかかってきた。
「ほら、キョーコのここは俺を欲しがってるよ?」
「んぅ・・いやぁ・・・」
「『何でもしてくれる』んでしょ?なら見たいな・・・?キョーコが俺を食べてくれるところ。」
きっと今、自分は悪い顔をしているのだろうな。
そうは自覚しているものの、だからと言って今更止める事は出来ない。
今夜は彼女が用意してくれた場所、時間。
そして彼女自身がプレゼントなのだ。
キョーコに溺れきっている蓮が、そのプレゼントを最大限に味あわないなんて事は絶対にないのだ。
「ああ・・・挿れる時には裾を持って、ちゃんと見せてね?」
「そっ、そんなっ・・!」
「俺からのお願い、聞いてくれるんじゃないの・・・?」
「っ・・・あ、あんまり見ないでください」
首を傾げながら笑いかけると、キョーコは顔を必死に背けながらベビードールの裾を両手の指で軽く摘まみ、少しだけ持ち上げる。
薄い布の向こうに透けていた茂みがはっきりと蓮の前に晒され、蓮の熱い視線を感じたキョーコは唇を噛み目を閉じた。
その表情も、自身の岐立の上に広がる絶景も。
蓮の理性をひたすらに溶かし、ただただ突き進んで本能のままに揺さぶりたい衝動を起こさせる。
だけど、今夜だけは我慢。
やっと決心を固めたキョーコが、腰を落として自らの内に蓮の欲望を迎え入れる。
力をしっかりと蓄えた自身が、キョーコの中に徐々に飲み込まれていく様をじっと見つめ続けた。
「ああ、いい眺めだよ。」
「やぁ!見ないで・・・っ」
「どうして?キョーコの中、熱くうねって気持ちいいよ。こんなに俺を欲しがってくれるなんて、何て可愛いんだろうね?」
「そっ、そんなの言わないで・・!恥ずかしいですったら。」
しかし言葉とうはらはに昂るからだは、蓮を簡単に受け入れ、悦びに戦慄く。
ゆっくりと全てを埋め終わったキョーコは、摘まんでいたフリルを離し、蓮の鍛えられた腹部にそっと手を置いて熱い吐息を吐いた。
「・・・動いてくれないの?」
「もっ、もう本当にむり・・・」
「キョーコが言ったでしょう?ね、俺の事、気持ちよく『してくれる』?」
「んっ、でも・・・どうしたら・・」
「キョーコの思うままに動いて?キョーコが気持ちいいと俺も気持ちよくなるから。」
頬をこれ以上ないくらいに赤く染めたキョーコは、思考を巡らせた後、ゆっくりと腰を動かして抜き差しを始めた。
この体勢で一人で動く事が初めてなので、うまく腰を振れずに前後上下、色んな動きが混ざる。
時々蓮の腹部に芽を擦り付ける形になると、キョーコのからだは大きく跳ねた。
その度に引き攣れる胎。
ぎこちないながらも、キョーコの腰の動きが早くなる。
学習能力の高いキョーコが自然とこの場で覚えていく動きは、蓮を煽り、理性の紐を引き千切るには十分な事だった。
(我慢なんて、これでしろって方が無理・・・)
「あっ、や・・やっ・・敦賀さ、きもちいい?」
「うん、キョーコ・・・もうイクの?」
「うんっ・も、だめ・・・やあぁんっ」
慣れない体勢と動きはキョーコをあっという間にさらって行き、軽く達したキョーコはそのまま蓮の胸へと倒れ込んだ。
「可愛かったよ・・・俺の上で、一人で遊んでるキョーコ。」
「そんな・・・恥ずかしいこと・・」
「本当だよ?可愛すぎてどうしようもないから・・・」
「えっ」
言い終わらない内にキョーコの細腰をぐっと掴むと、蓮は下から強く突き上げた。
途端上がる、悲鳴にも似た愛らしい啼き声。
「あっ、いやぁっ!・・・だめで、すっ、・・まだ・待っ・・・っ!」
「ごめん・・・無理」
凭れていたキョーコのからだを起こし、両手の指を絡めて支えさせる。
そうして跳ね上げさせると、華奢なからだは面白いほど蓮の腹上で跳ね、何度も深く貫かれた。
これはいい発見だ・・・と蓮は心の中でニヤリと笑う。
揺れる乳房。時々飛ぶキョーコの甘い汗。
薄く透ける裾から覗く淡い茂みの奥の花園が、何度も自身に犯される様。
恥ずかしがり屋の彼女はどうしてもこの体勢を拒みがちだったが、こうして見るとたまらなく魅力的。
キョーコが短く悲鳴を上げ、脱力しても尚止まれない。
「ぁ・っどして・・・」
「ちょっと疲れちゃっただろう?だから今度は俺が上ね?」
「やっ・・わたっ・・しが、するのぉ・・・っ」
「選手交替です。」
蓮を迎え入れたまま二度も達したキョーコのからだはしばしの休憩モードに入るが、蓮にそれを待つ余裕はない。
愛する彼女の新しい淫靡な誘いにすっかり魅了された男は、ころんと体勢を入れ替えると全力でキョーコを貪りにかかった。
「・・・しまった」
やり過ぎた。
そう蓮が反省したのは、全てが終わった後。
思うがままにキョーコを味わい、ふと覗き込むと、彼女はすでに夢の中だった。
途中で力尽き、気絶したらしい。
この日の時間を捻り出すために、暫くきつかったスケジュール。
それはキョーコも同じ筈なのだ。
(・・・無理させてごめん)
本当は、もっと一緒に言葉を交わしたりしていたかった。
心の中で謝罪の言葉を述べながら、キョーコの髪をそっと撫でる。
ぐったりと横たわるキョーコはピクリともしない。
ひとまず簡単に後処理を・・・と、一旦からだを離し、タオルを取りにバスルームへ向かう。
お湯で濡らしたタオルは少々熱いくらいだが、キョーコの元へと戻る時には適温。
このままでは風邪を引くから・・・と、汗で張り付くベビードールをさっと剥ぎ取る。
何をしても起きないキョーコに、蓮は申し訳ない気持ちと共に、少しの不安を覚えた。
( 俺ばかりが、好きなのかな――― )
自分が用意周到に外堀を埋めて、逃げ道を彼女に与えなかった自覚はある。
愛を全身で否定するキョーコにそんなものを与えてしまったら、間違いなく全力で蓮から逃げ出す。
それは解り切っていた。
そして恥ずかしがり屋な彼女の愛情表現は、普段はストレートには来てくれない。
料理だったり、仕事に対する姿勢への尊敬だったり。
分かりやすくて、でも微妙に分かりにくい、そんなところを介して来る。
キョーコの性格は十分に理解して、交際申し込みと同時になったプロポーズの返事も待っているのだが・・・
それでも不安はやって来る。
自分の愛が彼女の重荷になってはいないかと。
重量級の愛を注ぐ両親の血を継いでいるとあって、自分の愛も重たいのは十分承知している。
蓮としては、これでも自制しているくらいなのだ。
本当ならば、キョーコを自分の部屋に閉じ込めて、ずっと囲っていたい。
自分だけのキョーコであってほしい。
だけどそれは、女優『京子』のファン1号であり続けたいと願う気持ちに相反するから。
そっとそっと、心の奥底にしまう。
色んな事を考えながらキョーコのからだを清めると、ふとカーテンが開いていたことに気付く。
「この部屋は夜景も素敵なんですよ!」と、キョーコが開けていたのだ。
明日の朝は久し振りに二人でゆっくりできる。
朝日にだって邪魔はされたくない。
蓮は目の前に広がる人工的な星達をちらりと見ただけで、シャッと遮光カーテンを閉めてしまう。
夜景が有名なだけあって、確かに美しい光が眩しく溢れていたが。
キョーコと二人で見られなければ、蓮にとっては意味がない。
そうして翌朝をゆっくり過ごす為の準備を終えると、蓮はギシリとスプリングを鳴らし静かにキョーコの隣へとからだを滑り込ませた。
体を包む、少しヒヤリとしたシーツの感触に鳥肌が立つ。
緩く抱き締めたキョーコのからだが温かくて、何故だか蓮は泣き出したくなった。
「ねえ・・・もっといっぱい『好き』って言って?」
愛しさでこんなに胸が締め付けられる事があるだなんて、キョーコを愛して初めて知った。
相手の歩調に合わせる事がこんなに大変だなんて、キョーコと交際して初めて知った。
初めて知る喜びと不安。
年上の男として、決してキョーコには見せられないけれど―――
と、その時。蓮の腕の中で、キョーコはふわりと笑みを浮かべた。
それはきっと無意識で、何かいい夢でも見ているのかもしれない。
だけど、蓮の心は柔らかなその笑みで、ほわんと浮上してきた。
(本当に君って子は・・・)
いつだって自分を癒し救ってくれるその笑顔に、蓮はそっと破顔する。
幼い夏のあの日から今日まで、キョーコの笑顔は蓮の救いなのだ。
「ありがとう、俺のお姫様。愛しているよ・・・
自分の腕の中に収まるキョーコにそっとキスを贈ると、再び穏やかな寝顔は口角を上げて微笑みを蓮にだけ披露する。
聖母のように慈愛に満ちて、幼子のように無垢な微笑み。
自分だけが許されるこの幸福の時間を、『眠り姫』とともに腕に抱きしめ、蓮は静かに目を閉じた。
コメント
なんて素敵な誕生日プレゼント!
白のベビードールを着たまま・・・!
敦賀さんうらやましすぎます!!
泣きそうなくらい愛しい気持ちを抱えて、それでも孤独にはならない敦賀さん、キョーコとともに迎える朝が優しくあり続けます様に…
素敵なお話ご馳走様でした!!
Posted by 吟千代 at 2013年2月23日 01:03
ふふw
着衣のままお楽しみいただくのもまた一興♪
やはり清楚なイメージ(白)とヤる事のギャップが大事なのですw←
「してあげます」と言われたら…
それは蓮さんとしては色々と強請らないと!と言う結果でございますw
しかも翌朝プロポーズのお返事来てますから、蓮さん万々歳です♪
(実は表の作品の数時間前の出来事↑)
ふふふ、コメントありがとうございました~^^
Posted by マック。 at 2013年2月24日 17:17
ふふ、着たままイタすのもまた一興♪←
清楚なイメージ(白)とヤる事のギャップがいいのですw
「何でも…」と言われてウキウキで指示しちゃう敦賀さん…
翌朝にはきょこたんからプロポーズのお返事ももらえちゃったし、バンザイな誕生日になったに違いありません!
(時間軸前後してますが、表のきょこ目線の数時間前)
うふふwコメントありがとうございました^^♪
Posted by マック。 at 2013年2月24日 19:42