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To be my Grace * UNDER WORLDS  ― The Gold Light  (mimi's world・美海さん)


※文章に以下の描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。

 ・妊娠(カイセツ後)
 ・流血表現(撮影シーン)
 ・微桃(撮影シーン)






映画の前宣伝CMが、流れた時 ・・・・

ここに、二人の二つの物語がありました。




・・・それは ________






________ 某テレビ局楽屋にて。




ふん、ふふん、ふ~ん~~♪



「 きょ・ぉ・こ・ちゃぁ~~ん 」


本番を終えたばかりの、08:10PM。

今日は生番組だったので、8時ピッタンコに仕事を終えた一人の男がいましたとさ。

おつかれ~っす。と3人で、観客傍聴席に手を振り、ひな壇の若手芸人達に挨拶した後、
急いで楽屋に行った男。

この番組は、人気があって長く続いていたけれど・・・この1年ちょい・・・
なんだか物足りなく過ごしていた、人気お笑いバラエティ。

“ やっぱ、きまぐれロック ”

その本番が終わり、この後の収録の為に急いで楽屋に向った・・・とみせかけていたのだが、途中廊下で聞こえる


_______ プキュ、プキュッ、プキュ~ぅぅ・・・

この音に振り返っても、もう・・・中身の演者は・・・違う人なので・・・
頭を取ってもただ、お疲れ様。と声を掛けるだけだった。もう、それが普通に成っていた。


「 なんや~、リーダー。えらい急いで? 」


あぁ~!京子ちゃんの映画や~! そうそう、今日は公開前プレビューの日か~!

なんだよ、や~っと思い出したのか?と、思い出した二人を置いて、サッサカ楽屋に帰って、サッサとスマフォで見ようと思っていた。移動前の貴重な時間をムダにしたくなかった。


「 京子ちゃ~ん。淋しかったよ~。 」


スマフォで動画サイトにアクセスして、グルグル回るちょっと時間の掛かる動画コネクション。
待ってる間もモドカシク・・・思わすスマフォに頬擦りしていた。

イイ子イイ子~!と撫でてもダウンロード速度が変わる筈も無いのは分かっているけど、気分的に早い気がするので、おりこうさん。早く~!と携帯に向って話しかける。

そんな俺を見る・・・同じ楽屋のやっとこ到着した二人。

今日は移動まで少し時間があったから、二人とものんびりしていた。

金缶コーラを飲みながら、リーダーにも、ホイ。っと投げて寄こすもんだから・・・
開けたら、やっぱ・・・ 


「 なんだよ~~~! 」


気まぐれにブシューっと飛び出したコーラが顔に掛かっても、サッと避けた携帯は無事。

ベトベト・・・にも成るけれど、そんな事より早く見たい! 俺の女神サマ!

そう、京子ちゃんが世界絶世の美女でぇ~美しき女神の役を演るのは、きまぐれを辞める時に聞いた理由で知っていた。映画の出演の為って理由。その映画、近日公開~!

ベットベトの顔をパパッっと取ったティッシュで拭きながら、小さい画面に向っていた。


________ クリノンや ・・・・

じーっと見ていると、同じ楽屋の二人も覗き込んでじーっと見ていた。


________ 貴方の純粋な心の中に・・・ 優しく美しく存在する・・・ その心 


( う~ん、俺の心も純粋なまま。キョーコちゃん、オンリー! )

そんな事も考えながら・・・


________ 貴方の見上げる星月夜の天空の彼方に・・・感じたら・・・
受け止める事を選んだら、どうか捕まえてあげて下さい
貴方の純真な心が・・・永遠を望むのならば・・・


( は~い。捕まえたいで~す。 )

思わす、永遠を望みたい!っと強い心も湧いてくるが、くふぅ~~~っと何だか胸が締め付けられた・・・その影像・・・

( それも、仕方ない事。 )


お~!今の、敦賀さんか? んじゃね? 瞳がグリーンだったけど、京子ちゃんも不思議な色だし。 と・・・ 気ぐるみでは、今まで気付かなかったけれど、以外に・・・
京子ちゃんって、グラマー。

んで、セクシーな絶世の美女 あーんど、麗しい女神だったのに、大満足していた。

動画が終わると、関連動画が横に出ていて、今日の公開前記者会見が、各社いろいろ ずらーっと並んでいる。とりあえず、まぁ無難に、一番上の映画制作会社のオフィシャルサイトを選ぶ。


グルグルしている間、金缶コーラの周りがベトベトなので、ティッシュで拭いていた。
ティッシュなので、ベトベトには・・・ベットベトに付いてしまい、剥がすのにまた・・・余計な事をしたと、剥がし出した部分が金色の光を放ち、ウンウン、王の標章~!
なんて・・・
思っていたら、音が入った。

どりゃ、どりゃ・・・

と、皆で覗き込めば、其処には・・・


( まぁ、今見たしな・・・)


金髪のグリーンの瞳の敦賀さんと、金髪のブルーグリーンの瞳の京子ちゃん。
同じ事務所の琴南さんも、レモンオレンジみたいな瞳の色だし・・・

きっと先にこっちの会見を見ていたら、イッタイ・・・誰?外タレ?と分からなかったかも知れない。

二人が並んで座っているのは・・・まぁ前にも見た事ある。
その時の京子ちゃんみたく、とても綺麗で・・・ちょ~グラマー! なんて驚きもあり。

しっかり隠したドレスは、とっても清楚~! 無駄に肌を出してなくても・・・
それなのに身体の線がセクシーで、何ともいえない!
綺麗なおみ足がロングドレスの長いスリットから少ししか見えないけれど・・・


うぅぅ~~~・・・・


「 どした?リーダー・・・大丈夫か? 」

ゴキュゴキュ飲みながら話される、そんな声も気にせず大人感一杯で落ち着いたキョーコちゃんをガン見していた。
落ち着いている敦賀さんともピッタリ似合っていると、その他にも落ち着いている貴島さんに琴南さん。それに、子供ながらに冷めている上杉飛鷹君。

京子ちゃんが遠くに行ってしまった様な感じだけど、キャスト全員の雰囲気が輝いていた。

監督が、映画の説明をしている間、京子ちゃんが映っていないのを待ちきれ無い・・・
大人に成りきれ無い俺。ざっと早送りに動かすと、また画面は、グルグルに成ってしまう。


うぅぅ~~~・・・・


「 だよな~。 これいっつも、めんどくさいよな~~ 」

待つしかないので、待っていた。でも・・・早送りしすぎたのか、会場がザワザワしているだけで、敦賀さんと京子ちゃんがそろってお辞儀をしていた。

さっさと会場を後にする、輝きっぱなしのキャストも・・・

でももっと一番キラキラの敦賀さんが赤ちゃんを、ぎゅーっと抱きしめている
この構図・・・


( 以外に、・・・いい。 )


抱き慣れている様に見えて・・・背中を優しくポンポンしたり、頭を大きな手でナデナデしている構図が・・・男の俺でも、なんか羨ましい程、優しい愛に包まれてる。
女の子だったら、きっと堪らないんだろうな。いい旦那ってか理想の旦那みたいで。
しかもスーパースターで男としても輝いているしっ。と思っていた。

思わす憧れる、その敦賀さんの優しく赤ちゃんをあやしている姿。
いつものバリッとシュッとしたスーパーモデルそのままに、カッコいいのは当たり前の
雲の上の様な人だから。

その存在感に自分が光り輝いているまま・・・

少し違う、なんか変わった、さらに今までより落ち着いているというか、

昔から柔らかい春の日差しのような人だとは思っていたけれど、もっと、もっと、なんか

柔らかくて、優しくて、見ているだけで癒されて、その甘いマスクで見るのは・・・


「 あの赤ちゃん。子役か~? 赤ちゃんモデルってわけ? 」

な~。あんな小さいうちに、カメラの前だもんな~。あやすのも上手くなりそうじゃね?
撮影時にさ。と、そんな会話を他所に、ちょっとだけ戻して再生した。


頭の中には・・・・


ヘンな想像が起こっていた・・・俺。


今さっき見た、京子ちゃんと敦賀さん、ってか、美女クレオパトラと逞しいシーザーの・・・
二人の、ちょっとだけ映った、ベッドシーン。

敦賀さんの背中が、さすがのスーパーモデル。あんな身体と愛しい表情の中
敦賀さんの汗が・・・敦賀さんの身体を伝って・・・
そのまま京子ちゃんの肌にポタッと輝きながら落ちて・・・

汗の一滴まで・・・なんとも麗しい男。その下で・・・

涙を流して微笑んで、キスまでされて・・・お互い無言で愛を語ってて・・・・・・

・・・さっきのグラマーな京子ちゃんがぁぁ~~~・・・・・


( ぅお~~~い~~っ! )


ベッドシーンに至っては、短いプレビューだった事もあるのかどうか分かんないけど、
全体的な真上からの敦賀さんと重なった京子ちゃんが一瞬だけで、後は・・・

二人の重なった唇とか、顔の表情とか、お互いが肌に触れる手のアップとか、
絡んだ足だけとか・・・いや、二人ともが見えないシーツの中で動いてるのとか・・。


( ・・・・。 )

見えそうで見えない。京子ちゃんの肩から下なんて全く映っていないのに・・・
でも、でも、でも~~! それが思いっきり想像を掻き立ててしまっていた。

どうしても、二人がどんな事に成ってたか? 映画で確認したい。& 京子ちゃんが見れちゃうかも知れないと・・・これはゼヒ、見に行かなくてはという気にさせられた、俺。

( ふたりの・・・ちょ~エロティックで、それでキラキラしてた。 )

なんだかとてつもなく京子ちゃんと敦賀さんの本当に心の底から愛し合った後に、生まれました感満載。

赤ちゃんを抱いている敦賀さんの理想のパパ&旦那っぷり それに、イイ男の優しい微笑みが、そんなイロイロな事を想像させていた。

( でもそれでいいんだろう。・・・だって夫婦役の間の子役だしっ・・・)



_____ 皆さん。この子はシーザリオンの子役をしてくれた子です・・・
映画の中に映っているけれど、その姿を隠したまま影像に収めています。


そうこうしている内に、グルグルも終わって勝手に流れ出した画面。キャスト紹介らしい。
敦賀さんや京子ちゃん、皆もうすでに立ち上がっているので、ちょっと戻そうと指を向けた時、今の監督の意味の分からない言葉に、3人とも止まってしまった。


「 ん? なんだ? 映っているけど、映ってないって・・・?」


隠す?って、なに? どんな役?シーザリオンって? 
・・・エジプト文化はイマイチ知らない俺達。
ピラミッドとスフィンクス。ツタンカーメンとクレオパトラ。んな、ぐらいのもの。

時代もイマイチ把握していないので、どんな隠し子なのかもよく分からなかった。


________ ご紹介いたします。・・・
     ・・・名前は控えさせていただきます。ご了承下さい。


敦賀さんのその声に、皆で???だった。


「 なんで子役の名前、出さないんだ? 」

「 さぁ・・」

「 赤ちゃんモデルも、名前出るよな? 普通。 」



( ・・・・・・。 )
( ・・・。 )
( ・・・・・。 )


三人で無言だった。・・・のは、プレビューの最後に画面に映った配役の名前。
主要キャストの名前の下に、一つだけ英語で書かれていたけれど、な~んも気にせず

外人だろな。で、しらーーっと見過ごしていた。


「 ねぇ、アレ・・・なんか英語のキャストの名前出てなかった? 」

「 俺も今、それ考えてた。 でもよく覚えてない。 」

「 ん~~~・・・確かさ・・リトル、なんとか? ってあったかも。 」

ウンウン、T だったかもな。たぶん。そいつじゃね?


ってぐらいのものだった・・・でも・・・それが・・・・


見ていた画面の中の敦賀さんが、赤ちゃんをめちゃめちゃ愛しそうに、泣いている子を
上手に愛やしていて、赤ちゃんも敦賀さんに寄り添っていて信頼している本物のパパみたいだと思っていた時、しーんとなった会場。


皆で、名前が気に成って、じーっと見ていた。


________ ゴクッ・・・
 

うるさい。コーラ飲むな。とバシッと叩いた向かい側。
手がぶつかって、カランカランと音を立てて転がった空き缶に向って手を伸ばしていた。

「 リーダーの方が、うるさい・・・」

その会話の中に聞こえた、敦賀さんの声・・・



____ ご報告、いたします。
この子は、敦賀蓮と京子。二人の実子であり・・・


「 ええぇ~~~!!!」

「 嘘、ウソっ!!」


「 うるさい。なんて言った? よく聞こえなかっただろ。 」


二人の叫びがうるさかったのと、スマフォからちょっと離れてしまったので、小さいスマフォ画面のそんなに大きく無い敦賀さんの声がよく届かないで居た。 
畳にちゃぶ台の楽屋、金冠ならぬ金缶を、黄金の冠なんか全く似合わないちゃぶ台に置こうとした・・

・・その時・・・


_____ この子がお腹に居る間から、親子家族3人でこの撮影に携わってきました。


( ・・・えっ!親子? 家族3人!? はっ!? )


_____ 以上、LME所属、京子の出産のご報告と共に、ここに・・・

    プロダクションLME所属。 敦賀蓮、京子。

二人が入籍、結婚した事をご報告申し上げます。 



「 ぅぎぃ・・・ぎゃぁあ~~~ぁ~~・・・・ 」


オイ、リーダー、リーダー・・・ 薄れ行く意識の中に、ぼやけて見える。

二人がお辞儀をして立ち去っていく図。

さっき見た ざわめく会場の意味は、コレだったと・・・。



_____ それでは、映像と物語の中に・・・ 

実際に心と心が繋がり、本当に愛し合っている二人がしてくれた演技を

映画の中に感じて下さると願って・・・



( は~い・・・感じてましたよ~・・・・)

理想のパパ&憧れの旦那は本物だった。って・・・んで・・・・

“ 本当に愛し合っている二人がしてくれた演技 ”

その監督さんの言葉も、この愛し合った後の構図が想像できるほどデシタ・・・。っと



「 ブリッジ、うるせ~ぞ。 」


隣の楽屋の同期芸人が、勝手にガチャッと開けて入ってきて・・・


「 どした? 光 ? 光 ? 」


俺の事に心配してくれるのはいいけれど、“ 光 ” って・・・

映画の中のそんなオモムロな、テーマを・・・今俺にはもう、言わないでくれ・・・。と思いながらも、なんで、京子ちゃんが辞めたのかの理由が分かってしまった。


着ぐるみの中の暑さは、身体への負担が大きいからだって・・・。



「 あれさ・・・リトル・T って・・・リトル・ツルガ だったんじゃね? 」




( ・・・そうかも~~~~~ ・・・ )



突っ伏していたちゃぶ台の上から、なんとなくアルファベットを思い浮かべながら
ずるっと畳に落ちて意識を失った・・・

俺の恋の・・・時代が終わった瞬間だった。



( 時代が俺には、復活・・・蘇らないな・・永遠に・・・。)




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To be my Grace * UNDER WORLDS ― THE GOD for A GODDESSに続く