お客様は神様です。 5 (なんてことない非日常・ユンまんまさん )
今日は本当に慌しかった。
今日は本当に慌しかった。
「ねぇ最上さん。……どうする?」
ニッコリと、それはそれは艶やかに先輩俳優様は仰いました。
「…………っ」
フカフカのベッドの上で、あろうことか私に覆い被さっている敦賀さん。
あまりにも至近距離過ぎて、整った鼻梁や長い睫毛、色っぽい唇に、嫌でも目が奪われる。
そして何より、光彩煌めく宝石のような瞳。
見つめられるだけで、息が苦しくなって、どうしてか頭の奥がアツクてイタイ。
ギシリと、やけに煩く軋むのはベッドのスプリングか、自由を奪われた私の腕か。
それとも、箱の中の忌まわしい何か?
「さぁ、俺から逃げてごらん?」
脳髄に響く低音を耳元で囁かれ、抗えない痺れが躯を駆け巡る。
日常から切り離された空間が現実味を失わせ、あり得ない状況を作り出していた。
※Act.198つづき妄想ネタです
「・・・・そんなに・・笑わなくてもいいじゃないですか・・」