お客様は神様です。 2 (なんてことない非日常・ユンまんまさん )
重厚な扉をノックした蓮は、中から返事があるとその扉をゆっくりと開けた。
重厚な扉をノックした蓮は、中から返事があるとその扉をゆっくりと開けた。
誕生日を祝ってくれた気持ちがうれしくて。
4日後の女の子の告白に利用されるイベントデーも君の時間を独占できることがうれしくて。
君が愛を否定し避けていることも知っている。いつも君がこの日に用意するのはお世話になっている人たちへの感謝のチョコレート。
なぜだか俺にはチョコではなく別のもの。特別扱い…そう自惚れたい。
でも世間一般にはこの日はチョコレートに想いをこめて。
君からチョコレートをもらってみたい。子供っぽい我儘だとは思うけれど、今年はそのチャンスに恵まれた。
愛する兄の要求ならば、この妹は断るわけがない。
「何…してるのかなこんなところで …最上さん」
「……君さ、一体社長に何をお願いしたの?」
二人は時間を考えてホテル側に全てをリザーブしていた。予定がずれ込むことも考えていたが、少し遅くなったぐらいですんだ。専用の駐車スペースに止める事が出来ると車の外に出た。
そこに黒服に蝶ネクタイの男性が蓮とキョーコを待ち立っていた。蓮達を人目に付かないまま案内する為だ。