お客様は神様です。 3 (なんてことない非日常・ユンまんまさん )
「おはようございます。敦賀さん」
「おはようございます。敦賀さん」
(…・なッ…・!!)
晒された姿に思わず息を呑んだ。
オトコの欲望を具現化したような、それでいてオンナの強い主張も感じる、妖艶な黒のベビードール。
それはたしかに“セツカ”が選びそうなものだけれど…。
けれど“最上キョーコ”にはありえない。
絶対にありえないものだった。
「キョーコ!会いたかったよ!」
「あんなヘタレ、ほっとけば良いんですよ」
淡い桜色のスーツが君の肌の色を明るく見せる。
君は俺が贈ったハートシェイプのダイヤモンドのエンゲージリングを薬指にはめて、はにかんでいる。
時折それを眺めては触って頬を緩ませている。